2008年07月09日

紙婚式

 山本文緒の短編集「紙婚式」を紹介します。

 結婚後の夫婦に的を絞った短編集です。
 表題作「紙婚式」の他にも、「子宝」、「秋茄子」などいくつか収録されています。
 私のお気に入りは「おしどり」ですね。
 一見とても仲がよく、結婚後5年経っても結婚当初の雰囲気を失っていない夫婦がいます。それを見ている夫の妹は、その幸せに”危うさ”を見ます。そして物語の中で、妻いずみは一度夫から離れます。結局最後には戻ってくるのですけど、そのときの、「でも上辺を繕う努力もしなくなったら、何もなくなっちゃうのよ。形をつくれば中身は後からついてくるかもしれないじゃない」というセリフが好きでした。よく些細な理由で別れるカップルとか夫婦とかいますけど、そりゃあ縁もなかったんだろうしその場の勢いって意外と大きいのでしょうけど、でも、決定打を打ち込む前に、少し我慢するなり相手に苦痛を伝えてみるなりの、”努力”が必要だと、そう思うので。
 やはり自分が共感できることが書いてある物語は好きになりますよね。当たり前でしょうけど。

 この本を読んで、結婚に嫌気が差すか、それが当然と受け止めるかは、人それぞれですよね。


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